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2016年5月10日火曜日

煮干鰮らーめん 圓

ほんの2,3ヶ月前まで、話題の中心だったのに、もう誰も見向きしなくなりましたよね。みんな飽きるの早すぎです。
べつに店は逃げやしないのに、新しい店が出来たとたんに今ぞとばかりにわーっと騒ぎ立てて、ちょっと経つととたんに誰も見向きもしなくなる。
まあ流行というものは、そういう物なのでしょう。だけど、名古屋のみんなはいくらなんでも流行に流され過ぎです。
俺はそういう、名古屋っぽい人たちを傍目で見過ごすのが趣味なので、話題の過熱が落ち着いてから食べてみようと思いましたが、今やこの店、こんな大須の繁華街の中にあるお店なのにもかかわらず、休日の昼でも店内はガラガラでした。過熱しすぎた流行ってのは、反動も激しいってことなのでしょうか。にしても、いくらなんでもみんな冷たすぎじゃあありません?

当初はしばらく昼営業のみでしたが、いつのまにか夜もやるようになっていたんですね。知らなかったです。まあ、昼夜やってくれて、しかも混雑してないっていうのは、俺としては行きやすくてありがたいことです。

店内に入るなり、お母さんが夕飯を作っているときの台所のような匂いがぷうんと立ち込める。お母さんが味噌汁を作るときの、味噌を入れる前の段階の、煮干しで出汁を取っている時のあの素朴な匂いですね。確かにこれは、実に家庭的な郷愁を思い起こさせる香りでしょう。この匂いを嗅いで、なんだか子供のころに戻ったような、ほっとしたような気分になる人も多いのではないでしょうか。
親元を離れて下宿している男子学生さんや、独り暮らしの男性、単身赴任者、あるいは様々な事情で人生の伴侶と離別してしまった紳士方など、この香りを嗅ぐと、なんとなく、心の奥底にぽっかりと空いた穴を、埋めてくれるというほどでは無いにしても、ほんの少しだけその侘しさを慰めてもらったような、そんなささやかな優しさに触れたような気分になることは請け合いです。確かにこれは世の孤独な人々の心をグっと掴む香りと言えるでしょうね。


券売機の画像

券売機です。これを見ると、薄口醤油の「煮干しらーめん」、濃口醤油の「昔ながらのらーめん」、「塩らーめん」の3種類が主なものだということでしょう。なぜ濃口醤油だと昔ながらになるのかはよくわかりませんが、それはこの店が東京のものだからってことかもしれません。もし関西のお店だとすると逆になるのでしょうかね。タレが違うだけで、どれもスープは一緒でしょう。他につけ麺とかもありますが、なんとなくあまり美味そうな気がしないのは俺だけでしょうか。



えん ラーメン画像

煮干しらーめん ¥780


なるほど、まあ、予想通りの味といったところでしょうか。特に、驚きは無いかなあ。
ぱっと見た感じでは、いかにもすっきりしていそうだけど、その見た目とは裏腹に、かなり濃くて力強い出汁のスープではある。
なんだかでは、エグみがどーのこーのとか言われているけれど、別にえぐいってことは無いでしょう。尤も、ほのかな苦味というのはある。ブラックコーヒーやビールなんかを飲めないような、お子ちゃま舌の方々には、あるいは苦すぎるように感じるのだろうか?しかし、このかすかな苦味こそが、この煮干し出汁の濃厚さならではの面白味といったところではないでしょうか。
ラーメンの肝心はダイナミズムなのだから、このくらい濃くてわかりやすい味であったほうが好ましいと、俺は思うのだけどねえ。そこらへん、なんだかお上品にスッキリさせすぎてよくわからん味になってしまった華壱とは、まさに対照的だと思います。こういうのは、エグみってんじゃなくて、滋味っていうんだぜ。味覚うんぬんじゃなくて、ただ単に日本語の語彙力の問題かな?
麺は、いわゆる全粒粉麺ってやつでしょうか、これはなんかどっかで同じようなのを食べたことがある気がする。どこだったかな?ああ、三郎だ。三郎、今の一宮市の店舗になってからは一度も行けてませんが、名古屋市街地の伏見にあった時代はちょくちょく行ってました。その時に食べた三郎の塩ラーメンと同じような感じの麺ですね。ざらざらした食感はスープがよく絡んで気持ち良いけど、味自体は取り立ててどうこうってものでもないですね。まあわりとよくある感じでしょう。

うーん。全体的に、とっても濃厚で滋味でわかりやすくて、それでいて郷愁を誘うような、とっても美味しいラーメンであるのは確かであります。なのだけど、それでもやっぱりこれは、自宅でも出せるような味のように感じてしまうのだ。というのは言いすぎでしょうか。実際に作ってみたら、なかなかこういう味には至らないものなのかもしれません。
だが、一度食べただけの印象で感じたのは、これは濃いには濃いのだけれど、やっぱりこの味はお母さんのお味噌汁の、味噌を入れる前の味と、基本的には同じものだと思うのです。あの味をものすごく濃くして、薄口醤油で作ったタレで味付けしたら、これになるのではないでしょうか。まあ、事はそんな単純にはいかないのだろうが、それにしても近いものは得られるであろう。
いや、近頃のお母さんは、きちんと煮干しを使ってだしをとらず、「ほんだし」やらなんやらの化学調味料で済ませてしまうのかもしれない。お母さん世代は化学調味料に偏見的アレルギーを持っていると前に書いたけども、実際、化学調味料そのものではなくて、化学調味料が含まれている「ほんだし」のような商品を使用することについては案外無頓着だったりするのだ。そんなお母さんや奥さんを持ってしまった男性にとっては、この本物の煮干しをふんだんに使ったラーメンスープはむしろ郷愁よりも新鮮味を感じさせるものなのかもしれない。
まあだがしかし、そうだとしても、この味は、ごく一般的な家庭で味わうことが割合容易そうな味だ、ということは理解していただけるだろうか。
こういう、わかりやすくて感情(劣情?)にダイレクトに訴えかける味というのは、ダイナミズムを重視するという意味ではまさにラーメンという料理にふさわしいものであると思う。だが、これならば、いっそのこと、煮干しをそのままカリカリ食べたほうが美味しいような気もしてくる。そのほうが、よりダイレクトに旨いし(だって、それそのものを食べているんだから、それを使ったダシスープを飲むよりも旨いに決まっている)、栄養にも良いだろうし、それに何より、酒のツマミになってよろしい。それをあえてスープにするところがこのお店のラーメンの眼目ではあるのだろうけど、俺は別にお店の技術力のひけらかしを体験したいのではなくて、自宅では絶対に味わえないような素晴らしい味を体験したいがために外食をするのである。その意味ではだから、これは別にスープにする必要がないようにも思うのだがどうだろうか。まあ、外食をする目的なんて人それぞれだからこれについては同意を得られないかもしれないけど。
とんこつなら、そのままガリガリ食べることはとうてい不可能だから、どうしても業務用のガスレンジで最大出力でガンガン煮出さないといけない。だから、とんこつスープに関しては、家庭用のガスレンジでは絶対に作ることができないという点で、わざわざ足を運んでまで店に食べに行く意義がある。しかし、煮干しに関しては、そのままボリボリ食べても充分美味しいのだし、あるいは、ダシをとるとしても、家庭用の火力でも充分に濃厚なものがとれるわけですから、わざわざ外食でこれを食べることが、なんだか勿体無いような気がしてきてしまうのです。
そういうところが、俺が、とんこつらーめんに比べて、魚介らーめんがしっくり来ないというポイントなのかもしれません。尤も、営利庵の特極めは例外ですよ。あれはお店に行かないととうてい味わえない、独特で特異な味わいであります。
それから比べると、この「圓」の煮干しらーめんは、濃厚には濃厚だけど、とりたててこの店じゃないと味わえないほどの特異な味わいか、って言われると、どうもそういう感じでもないような気がするのです。
東京から来た話題のお店だから一時期騒がれたけど、やっぱり一過性のものに過ぎないという感じは否めません。

いやまあ、とはいっても、やっぱり味自体は美味かったし、華壱のような凝りすぎてイマイチわけのわからん味とは違って、ダイナミックでわかりやすい味ではあるので、その点を踏まえて、

今日の評価は:★★★★ 4、くらいにはしときましょう。

まっ、一度くらい食べてみても、損はないんじゃないでしょうかね。

それにこの辺り、大須界隈だから、そこら中にかわいい女の子がうろうろしているでしょう。どれか適当なのを捕まえて、「そこに旨いラーメン屋があるから一緒にどう?」って言ってナンパするのには結構使える店なんじゃないかと思います。俺もやってみようかと思いますがどうでしょうかねえ?え、ダメ?

煮干鰮らーめん 圓 にぼしいわしらーめん えん

愛知県名古屋市中区大須3-30-31
11:00~15:00
17:00~22:00
定休日:水曜日

2 件のコメント:

  1. 自宅で作れそうな味。全く同感です。僕はたまにラーメンを作ることがあるのですが、丸鶏や鶏ガラ、煮干しでダシを取ったスープが、まさにこんな感じの味でした(笑)。

    この店、名古屋に出店したのがそもそもの間違いですが、せめてオフィス街にでも出店していたら、客入りもだいぶ違ったような気がしますね。合掌。

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  2. >丸和嫌い
    なるほど、その自作ラーメンは食ってみたいですね。

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