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2016年6月24日金曜日

とんこつらーめん ひかり

ありえん。本当にありえん。この店が閉店してしまうだなんて。悪い夢だと言ってくれ。そうだ、こんなのはただの悪夢だ。現実ではない。世界の全てのラーメンをかき集めても、その頂点に達するのは豚骨ラーメンのみであるが、その豚骨ラーメンの中でも最も崇高な頂点に君臨しているのがこの「ひかり」である。まさに、豚骨の神様。God of Tonkotsu.
ああ、その神様がお亡くなりになるだなんて。まあ神様はもうすでにお亡くなりになっていると哲学者かく語るけれど、そんな本当に何処にいるかもわからない、あてにならない創造主なんかよりも、この豚骨の神様のほうが、現実に味わうことができるという点において、ずっとずっと崇高で荘厳なのである。その神様がお亡くなりになるなんて。それこそ、この世には神も仏もないのか。世も末だ。
今までなぜこの店をレポートしなかったのかというと、決して避けていたわけでもなく好みに合わないわけでもなく、それどころか、あまりにもこの味わいが素晴らしすぎるがために、俺の稚拙な文章によって価値を貶めてしまわないかという懸念があったから、あえて書かなかったのだ。もう2~3年ブログを続けて、もっと文章がうまくなったら書こうと思っていたのに。それほどまでに、この店は俺にとって、とびっきりのとっておきのお店だ。しかし出し惜しみしすぎたのかもしれない。記事にもしないうちに閉店とは。
確かにこの店、かなり行きづらい所にある。高蔵寺の駅からも結構離れているし、そもそも高蔵寺に何の用事も無い俺としてはなかなか行く機会がなかったのは確かだ。しかし、こんなにも旨い店が閉店だなんてショック過ぎて今まで足をあまり運ばなかった過去の自分を責めたい気分が満載である。悔やんでも悔やみきれない。


とんこつと一口に言ってもこのお店ではかなりの種類があって、


│濃厚ど・とんこつ
│ど・とんこつ
│ひかりらーめん
│び・とんこつ
│しゃび・とんこつ


といった感じで、こってり度合いによってこれだけ種類があるわけです。
尤も、この中で「ひかりらーめん」だけは魚介と合わせた豚骨魚介系ラーメンだそうで、毛色が違うものとなっていますが、これを「名古屋風」と称するあたりはおそらくスガキヤを意識したのではないかと思います。

俺の好みといえば、そりゃもちろん濃厚ど・とんこつ、及びど・とんこつであります。というかこの二つ以外は食べたことがありません。濃厚とそうでないほうとの違いはただ単に濃さの違いというわけではなく、濃厚のほうがよりクリーミーで、ノーマルのほうが匂いが強いという感じで俺としては甲乙付け難い魅力があります。
見てごらん、ほら、この、20時間も煮込んで骨の髄までしっかりと旨味も臭みもあますとこなく煮出したこの寸胴を。これでこそ豚骨の真髄であります。こういう、当たり前ではあるけれどしかし誠実な作り方をしている豚骨ラーメン屋が他にどれだけあることか。俺は他には、とんぱーれくらいしか知らないのです。みんなとんこつというとバカにして、どうせ客は舌バカばかりだから手抜きしてもかまわまないだろうと思って手抜きしまくる店ばっかりなのです。少なくとも名古屋においては、その通りなのです。

濃厚かど・とんこつか迷いましたが、この日は濃厚のほうが売り切れだったので、とりあえずど・とんこつのほうにしました。


ど・とんこつ ¥670

ああっ、嗚呼~~~~~っ!!!!!!もうこれは、言葉に出来ない!
なんという深さ、なんという優しさ、柔らかさ、そしてなんという、鮮烈な刺激なのだ!
この味わいの深みはマリアナ海溝より深く、そしてエヴェレストの頂上よりも高い。
とにかくそんな陳腐な表現しかできない自分がもどかしいっ!
世界中のありとあらゆる幸せを集めて、強火で長時間大事にぐつぐつ煮込んだらこんな味になるんじゃないかっ!っていうようなものすごい味わいだ!
これこそ至上、極上としか言い表せない!!
豚骨が醸しだす、まるで他の追随を許さない限界の無い豊かさの愉悦は、まさにここに集結していると言って良い。
はっきり言って、こんなに旨い豚骨は、名古屋界隈にはここにしかないどころか、俺が今まで生きてきた人生のなかで唯一無二のものだと断言できる!こんなすごい豚骨は、このお店で生まれて初めて味わったし、これから死ぬまでも、それこそ九州に行っても、これ以上のものは味わえないに違いないだろう!!
の、豚骨を探求する人生をかけた長い長い旅は、この「とんこつらーめん ひかり」をもってして、一つのピリオドを打つものだと、そう確信するのである。

やくみ
ただでさえ他の追随を許さないほど抜きん出た味わいの豚骨なのに、それがさらに熟成され深まっているという趣すら顕している。
これは、ただの豚骨ではない。発酵、熟成された豚骨なのだ。
この味わい、香りの奥底にあるのは、単純な豚骨のみならず、発酵食品のそれなのである。
いわゆる、チーズ、納豆、くさや腐乳、そういった香り、味わいなのである。
だからこそ、苦手な人にとっては苦手なのかもしれない、しかし、ヤミツキになる人にとってはまさに他の何をかなぐり捨ててでもこれを食べたいと思うほどのヤミツキになるものであるのだ。
この豚骨の味わいは、単なる豚骨の味ではない。それは、カマンベールチーズ、またはゴルゴンゾーラ・ドルチェロックフォールといったヨーロッパの伝統的な発酵食品ような、例えようもないほどに優しくてなおかつ鮮烈で刺激的な、そのような矛盾した言い方でしか言い表せない複雑なテクスチャを織り成している。そうなのだ、これは、チーズなのだ。牛や羊の乳を使って作るそれらと同じように、この「ひかり」のど・とんこつは、豚骨の濃厚なエキスによって、それもとびきり至上の豚骨スープによって作る一種のチーズなのだ。そのチーズが丼一杯に満たされて、その中に麺が浸っている、そう考えればいい。どれほど味わいが濃厚であるのか、少しでも感じていただけるだろうか。
無論、しかしであるが、そのような西洋的な複雑な味わいと共に、和風の味わいも垣間見せるのだ。そうだ、それは納豆の味わい。それも、とびきり上等な、旨味の濃厚な大豆を使って長期間熟成させられた、最高の納豆の味わいだ。アンモニア臭がするまで長い時間をかけて熟成された納豆の、その至高ではあるが同時に我々にとっては慣れ親しんだ郷愁を誘うような、これまた矛盾したような複雑な味わいを醸しだしている。発酵食品の東西の雄である納豆とチーズ、ただそれ一つだけでも言葉に表すことが出来ないほど複雑なテクスチャを織り成す味わいのそれらが重なりあって、そしてそれがすべて至上の豚骨スープによって作り出されているというこの事実、まさにこれは、芸術である。それも、前人未到の域に達した全く斬新で崇高な芸術作品である!!!!
懐かしさや慣れ親しんだ味を感じさせながら、同時にひどく斬新で前衛的、これこそ人類が追い求めた至高の味覚の栄光の結晶ではないだろうか。こんな素晴らしい食べ物は、ラーメンに限らず、全てのあらゆる料理の中でも、最高の頂点に君臨するものだと俺は思う。あの歴史に名を馳せる美食家ブリア=サヴァランは、この「ひかり」の豚骨ラーメンをもし味わっていたとしたら、いったい何を思索するのであろうか?今となっては、誰も答えることのできない問いとなってしまっているが。
とんぱーれのあの豚骨ラーメンが、偉大で至上でありながらあくまで軽やかであるあの珠玉のモーツァルトの音楽に喩えられるとしたら、この「ひかり」のど・とんこつは、まるでマーラーの壮大な交響曲か、ストラヴィンスキーの血湧き肉踊るオーケストラ音楽に喩えられるだろう。あるいは、神の領域に近づいたあの豊潤で濃厚で例えようもないほどに聴く者の心をやさしく包みこむメシアンの音楽か。
そうなのだ、至上の豚骨スープを味わう時に身体中をかけめぐる快感は、単なる味覚を悠に超越し、時としてエロティシズムさえをも伴うのだ。しかしそれは、例えば射精のオルガズムのような、淫靡で背徳的な快感ではない。美しい少女との、甘く、優しく、永遠に続く愛撫のような、プラトニックなエロティシズムなのである。
死ぬ前の最後の晩餐がもしこの一杯だとしたら、もう俺は思い残すこともなく、安らかに逝けるだろう。
人生の、世界の、様々な幸福がこの一杯に凝縮されていると言って過言ではない。
たとえどんなに極上な最高級のフランス料理や懐石料理でも、この一杯には敵わないだろう。
それほどまでに、このラーメンを食べることは、幸せなのである。
豚骨の神様の限りなく慈悲深い愛情が、ここに集結している。これはもはや、崇高である。
これを食べるという体験、その未曾有な体験それ自体が、幸福そのものなのだ。
これを食べて幸せに包まれれば、戦争や争いごとなどまるであぶくのように感じるであろう。
私はここに、豚骨平和説を提唱する。
日本人がかの大戦後、70年に渡り平和を保ち続けてこれたのも、豚骨ラーメンを食べ続けてきたからだ。
中東地域、アフリカや南米等の各地で戦争や内乱が絶えないのは、彼らが豚骨ラーメンを知らないからだ。
世界の人々がみな、豚骨ラーメンを食べて幸せに包まれたならば、世界からは戦争が無くなるだろう。
その平和の源である豚骨ラーメンの頂点に君するのが、この一杯なのである。
安倍さんも、こんなに旨い豚骨ラーメンを食えば、心の中が幸せで満たされて、考えを変えるだろうに。しかし、このお店はもはや、あと数日で閉店してしまうのである。もはやこれは、平和維持の放棄にも等しい。
何とも悔やんでも悔やみきれない、憂うべきことという一言では済まされないほどの、財産の損失である。
ああ、この伝説的な味わいの豚骨ラーメンは、もはや本当に伝説になってしまおうとしているのか。

まあ、だがしかし、決まってしまったものは仕方が無い。
とりあえず、今月25日までやってるそうですから、みんな行くべし。
しかし、本当に不可解。
味が落ちた気配は全くないし、千客万来。今が絶頂とも言えるほどの人気店じゃないか。
あ、もしかしてあれかな、人気があるうちに引退していい印象を植え付けようという魂胆かな。
でもそんなことして何になる。
食べられなくなるのは事実なんだ。客としては、いくら旨くても、食べられないラーメンなんて無価値に等しいのだ。
いつか、どこかで復活してくれることを望むしかないのか。
でもまあともかく、残された2日間のうちに、我々に出来ることは、とにかく、食べに行くことしかない。
別に俺ひかりの回し者じゃないですからね。それくらいは解るでしょ。
まあ、ともかく。

いや、残念です。

今日の評価は:★★★★★★★★★★  10!です!!!!!!!!!!

実はとんぱーれが9だったのは、この店のために最高評価をとっておきたかったからなのですね。
この凄まじく素晴らしい味わいは、とんぱーれすら凌ぐのだ。
今後、これからの人生、こんな素晴らしい味に出会えることは、豚骨ラーメンのみならずフランス料理やイタリア料理、スペイン料理、懐石料理、中華料理、その他によってももはや出来ないんじゃないかと思っている。
この味を失うのは、あまりにも辛すぎる。
人生、辛いことばっかりだ。
幸せな人生というのは、味わえたとしてもつかの間、ということなのでしょうか。
本当に、辛いという言葉なんかでは言い表せないほど、辛すぎる。


とんこつらーめん ひかり
愛知県春日井市不二町3-1-13
11:30~14:00
18:00~22:00
定休日;水曜日

2016年6月25日をもって閉店予定

2 件のコメント:

  1. なにかにログインしてないと投稿できないの?

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    1. >mi月さん
      んーそういうわけじゃないはずですけどね、匿名ってやつになってしまいますが。

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